つねに患者とともにあり、
人間的なふれあいをとおして
患者の主体性、
その人らしさの回復を支える
患者さんと共にある─。
それは、疾病を見ているだけでは決して叶いません。
患者さんがいま、何に悩み、何に喜び、
どうしたら前を向けるか。
目の前の“人間”を見つめて初めて、
「その人らしい」回復を助けることができるのです。
冷静な頭(Head)で考え、
温かな心(Heart)で寄り添い、
スキルと思いのすべてを
自らの手(Hand)に込めていく。
3つのHのその先に、
「あなたが担当でいてくれて良かった」と、
患者さんから声をかけていただける日が、
きっと来るはずです。
横浜市看護職員のシンボルマーク“Yokohama Nurse”は、2羽のカモメが大空を自由に羽ばたく様子と、看護の心をハートの形で表したもの。いつでも、どこでも、患者さんのもとに飛ぶように駆けつけて、心のこもった手当てをしてほしい。さらに横浜市看護職員としての自覚と誇りを胸に、職員同士互いを尊重し、補い合いながら看護の質を高めていってほしい。そんなメッセージを込めています。
私たちは健康のあらゆるレベルの
患者さんに
真心と思いやりを込めた
安全な看護を提供します
「お水が欲しい」。そう患者さんに言われた時、あなたならどうしますか?ポンとお水を渡すのは誰でもできる。そうではなく、「なぜ、お水が欲しいんだろう?」と考え、「熱があるからかな?」「冷たいお水では体に障らないかな?」「話すチャンスになるかな?」と、お水一つをきっかけに患者さんの容態を知ろうとするのがプロの看護です。お布団をかける瞬間一つでも、体調の変化を知り、手の先に心を込めてかける。そうした一つひとつが「あの時のお水がとっても美味しくて」という感謝の声になり、ひいては「横浜市立市民病院に入院してよかった」という信頼に繋がると思っています。
横浜市民病院は、赤ちゃん誕生から終末期の医療まで、人の一生に関われる総合病院です。つまり様々な領域の看護に携われるので、「自分はこれを極めたい」という道が必ず見つかるはず。それに対して私達は教育支援、進学支援を惜しみません。院外で学んだ知識を病棟でいきいきと看護に活かせば、やがて患者さんの笑顔になって返ってくる、そんな好循環の輪を創りたいのです。
また高度急性期医療に取り組む当院では、慢性期の病院に比べれば入院期間も短く忙しい部分もあります。そこで看護師が二人一組で看護に当たるPNS®(Partnership Nursing System)を導入し、補い合いながらケアできるようにしています。新人は先輩にどんどん聞いて学んでください。一方の先輩も、新人の姿に初心を思い出すことがあるでしょう。例えば慣れてくるとラウンドもつい効率を重んじがちですが、なかなか病床から戻らない若手看護師が「患者さんが懸命にお話をしてくれるので、とても離れられなかった」と語る姿に、私自身もハッと大切なものに気づかされたものです。
そんな中、看護師の成長を実感したのがコロナ禍でのこと。ある看護師が、感染症病棟への異動直前に「やはり行きたくない」と訴えました。勿論無理強いはできないので、病棟の中ではなく外回りに変えたところ、ある日、姿が見えない。そこで心配した副看護部長が見にいったところ、防護服を着て、病棟内で患者さんのケアに奔走していたのです。隔離された患者さんを前に、動かずにはいられなかったのでしょう。ガラス越しに「大丈夫」とサインを出した彼女の姿、その決断に、私と副看護部長は胸を熱くせずにはいられませんでした。
看護。それは人生の岐路に立つ患者さんと「共に悩み、考え、乗り越える仕事」ではないでしょうか。目の前の患者さんが自分の家族だったらという視点を大事に、どんな時も支え抜く。そして心底やりがいを感じられる領域を見つけ、知識、技術、倫理観を磨いて患者さんの命と尊厳を守っていく。決して簡単ではありませんが、その先にはきっと看護師としての喜びが待っているはずです。
高度急性期病院として、腹腔鏡下手術や先進医療など難易度の高い手術を1年間で約6,000件実施。全15室ある手術室では、麻酔科医が手術の進行を常時コントロールし、1件1件の安全を確保しています。看護においても高度なスキルが求められる救急医療の現場で、キャリアを積むことが可能です。
誰にとっても入院は不安を伴うもの。そこで看護師が入院前の面談で、安心して入院生活が送れるよう説明を行います。入院後は切れ目のないサポートを実施し、無事退院を迎えられる日まで、多職種と連携して支援します。
地域周産期母子医療センターとして、産婦人科と小児科が一体となって対応するのが特長。自然分娩、母乳育児を推進し、完全母児同室での母子のサポートを行います。助産師による母乳外来、マタニティービクス、ベビービクスなどにも取り組む中で、多方面からのケアに携われます。
2014年に神奈川県DMAT(災害派遣医療チーム)指定病院となって以降、災害発生時に迅速に出動できるよう、訓練を重ねています。また広域防災訓練にも参加して技能の維持向上に努め、院内の防災意識向上に貢献しています。
高齢者が要介護状態となっても住み慣れた地域で暮らせるよう「地域包括ケアシステム」を構築する横浜市。その中で高度急性期病院の看護師の役割は、入院中の患者さんのADL(日常生活動作)の向上を通して、早期に地域に戻れるよう支援することです。退院後は患者さんやご家族の生活を、地域の医療・介護職員と共に支えていきます。
地域関係機関との連携も重視し、オンラインを通じて患者さんの既往歴などがいち早く分かるよう、情報共有・情報交換を行っています。また地域に出向き、感染症に関する対応訓練や研修を実施するなど、予防・啓発活動にも努めています。
ベッド数26床を有する感染症病棟。第1種感染症指定医療機関、第2種感染症指定医療機関、エイズ治療中核拠点病院の役目を担っています。
耳鼻咽喉科・皮膚科・形成外科など幅広い診療科に対応しています。
緩和ケア内科内に25床の個室を完備。患者さんがその人らしく、穏やかな毎日を過ごせるよう、心身の緩和ケアを行っています。
消化器内科・外科、呼吸器内科・外科、炎症性腸疾患に対応しています。
白血病や悪性リンパ種など、主に血液内科疾患に対応。無菌室を始めとする特殊施設も完備した病棟です。
保育士が常勤する小児病棟。子ども達が緊張しないよう、「遊び」を交えながら入院支援を行っています。
産科病棟として、年間約1,400人の出産やその後のケアを支えています。
泌尿器科・婦人科・脳神経内科・乳腺外科・眼科の混合病棟です。
心臓血管外科・循環器内科の患者さんのサポートをする病棟です。
脳神経外科・脳血管治療科・糖尿病リウマチ内科・整形外科・腎臓内科の治療を行っています。
手術室は全15室。年間約6,000件の手術を行っています。
集中治療室 (Intensive Care Unit) において、重篤な急性機能不全の患者さんを24時間体制で管理しています。
高度治療室 HCU (High Care Unit)では、ICUより重症度の低い患者さんを受け入れています。
早産児や何らかの疾患を抱えた新生児を、NICU(新生児集中治療室)で集中的に治療・管理します。容態が安定してきた新生児は、引き続きGCU(継続保育室)でサポートします。
1日平均1,300人~1,400人の患者さんを受け入れる外来。告知や治療方針決定などの重大な場面において、患者さんやご家族の「こうしたい」という思いを大切にしながら、必要な支援を行います。
看護師、医療ソーシャルワーカー、事務職員が相互に連携・協力し、地域医療連携、入院前面談、入退院支援、退院前後訪問、病床管理を行っています。
7C病棟
4A病棟
4B病棟
手術室
ICU・CCU
NICU/GCU
私たちはその人らしさを
大切にした看護を実践し、
市民の「いのち」と「くらし」を
支えます。
当院は脳血管疾患、神経疾患、脊椎脊髄疾患などの超急性期から回復期まで一貫した医療を提供する専門病院です。その長期にわたる看護の中では、医療の視点と同時に、退院後を見据え生活の質を向上させるという視点が必要です。「ADL(日常生活動作)をここまで上げておけば、退院後スムーズに自立できる」など、その人の生活シーンを想定し、生活の再構築を支援する。そして、そのときに一番大事にしていること、それは「その人らしさ」。私達の現場では、スタッフがよく口にする言葉です。チーム医療の中で一番患者さんの近くにいる看護師は、お一人おひとりが退院した後に“どう生きたいと思っているのか”を何よりも大切にしています。
看護部では数年前から身体拘束の最少化に取り組んでいます。こんなことがありました。どうしても転倒の危険を伴う患者さんが動いてしまい、その方への対応を考えていた時のこと。チームで話し合い、大きな怪我にならないように自由に動ける環境を作り、制止するのではなく見守る対応にしたところ、いつも拒否的だった患者さんの表情が穏やかになり、「ありがとう」と言ってもらえるようになりました。以前であれば、何らかの身体拘束が実施されていたかもしれない患者さんでした。
当院では、看護倫理に基づいた看護の実践を大事にしています。倫理的感受性を高めるために毎年実施している看護倫理研修は、回数を重ねるにつれ、部署を巻き込み充実したものになっています。ある若手スタッフが言いました。倫理は、何か特別なものなのではなく、日々の看護実践の中にあると。今日も現場にはそんな風に患者さんと向き合うスタッフたちがいます。
私が看護師を志したきっかけは、小学校の時に読んだナイチンゲールの伝記。ナイチンゲールはたくさんの名言を残していますが、最近改めて心に響いたのは看護師が持たなければならない「三重の関心」。これは症例への理性的な関心、患者さんに対する心のこもった関心、世話と治療についての技術的関心で、まさに私達が目指す「確かな知識、技術、懸命な心」に合致する看護師像だと思っています。
新人教育について言えば、臨床判断モデルを活用した教育支援に力を入れています。なかでも、「何に気づき、どう解釈し、だからこのように行動している」かを口に出して伝える「思考発話」は、お互いの知識や経験をシェアし、より良いケアを提供することにつながります。当院では看護方式をPNSⓇ(パートナーシップ・ナーシング・システムⓇ)に変更しましたが、これらの教育支援が効果的に行える看護方式だと考えています。新人とベテランがペアで組むこともある中、「私、新人から学んだわ」と先輩も共に成長する姿を見るのは嬉しいもの。この貴重な実践と交流の場で、自律して考え、高度な臨床判断ができる力をぜひつかみ取ってください。
専門的な医療機器を備え、24時間365日、脳卒中診療が行える体制を構築。突然発症する脳血管疾患に対して、迅速な診断と治療を行い、回復期へと繋げます。脊髄脊椎・膝疾患の治療では骨の内部構造の変化を調べ、骨粗しょう症、脊柱管狭窄症などの診断と治療も実施。多職種との連携の重要性が増す中、看護師はその調整役を担い、チーム一丸となって“患者さんとご家族に寄り添う看護”を実践しています。
主に脳血管疾患・脊椎脊髄疾患・整形疾患などの急性期治療が終了した患者さんを院内外から受け入れている回復期リハビリの拠点。入院生活の全てをリハビリと捉え、「できるADL(日常生活動作)」を「(普段通りに)しているADL」に変えることで、在宅治療や社会復帰をサポートしています。回復した患者さんが無事退院する光景は、スタッフにとってやる気の源です。
在宅療養中で何らかの治療が必要な患者さんや、急性期治療を終えた方を受け入れ、退院後も続く療養に向けた支援を行っています。入院中のトイレ・食事・入浴などの生活動作自体もリハビリと捉えてサポートし、身体機能や動作能力の維持・向上に繋げていきます。患者さんが住み慣れた地域で生活を続けられるよう、地域と連携しつつ支えています。
脳神経外科、脊椎・脊髄外科の外科的治療を始め、血管内治療、t-PA(血栓溶解療法)など最先端の治療を実施。脳卒中急性期の集中治療を行うSCU(Stroke Care Unit)12床、高度治療室HCUを有し、医師、看護師はじめ各専門職が協働して治療を行っています。正確かつ安全な治療のため、バイオクリーンルームやナビゲーションシステム、立位の3D画像が作成できるEOSイメージングシステムなど先端機器も完備しています。
「残された機能を最大限に活かし、その人らしく生きること」「(入院を)療養の場から生活の場へ」をモットーに多職種と連携しながら支援を行います。
※5階東西病棟は同一の機能を有しています
「残された機能を最大限に活かし、その人らしく生きること」「(入院を)療養の場から生活の場へ」をモットーに多職種と連携しながら支援を行います。
※5階東西病棟は同一の機能を有しています
救急12床と内科系25床を有し、救急病床では24時間365日緊急入院を受け入れています。神経症状や呼吸・循環などの全身管理を行い、異常の早期発見や合併症、2次的障害の予防に努めます。 現在はコロナウイルス感染症の患者さんにも対応。
脳血管障害の急性期に対する治療を行うのが集中治療室。脳卒中の専門知識を持つ医師や看護師、リハビリテーションスタッフらの専門チームが24時間体制で治療を行います。
脳血管疾患の発症直後の治療から、脳外科・整形外科の術後管理、血管内治療後の全身管理、呼吸循環管理まで、一般病棟では管理が困難な治療に携わっています。